頸椎椎間板ヘルニア
症状
頚部、肩甲骨から上肢の痛みで、悪化すると手足のしびれ、四肢麻痺が見られることがあります。
原因
椎間板は、首の骨と骨の間にあって、クッションの役割を担っています。この椎間板が痛んで、髄核という内容物が外に押し出され、飛び出てきたものを椎間板ヘルニアと呼び、症状の原因となります。
診断
診察、レントゲン、MRIで診断を行います。
治療
通常は内服加療（消炎鎮痛薬や神経痛に対する薬）、リハビリを行います。
一般的に手術をせずに保存的治療で症状は軽快する場合が多いのですが、四肢麻痺がでてくるような場合には手術が行われ、近隣の連携病院/専門医に紹介します。
頸椎症性神経根症
症状
中年以降の方で頚部、肩甲骨、上肢の痛みが生じ、上肢や手指のしびれが出ることもあります。
一般に頚椎を後ろへそらせると痛みが強くなり、上を向いたり、床屋や美容院でシャンプーしたり、うがいをすることが難しくなります。
原因
これまでの首の負担や年齢が原因で、骨棘（骨のとげ）が出来て、神経の枝（神経根）が圧迫されて、症状が出現します。
診断
診察、レントゲン、MRIで診断を行います。
治療
通常は内服加療（消炎鎮痛薬や神経痛に対する薬）、リハビリを行い、症状は徐々に軽減していく場合が多い疾患です。
治るまでには数か月以上かかることも少なくなく、激痛の時期が終われば気長に治療します。上肢麻痺が進行した場合は、手術的治療を行う場合もあり、近隣の連携病院/専門医に紹介します。
頸椎症性脊髄症（頚髄症）
症状
手足のしびれが出て、ボタンのはめ外しがやりづらい、お箸が使いにくくなる、字が書きにくくなる等の手指巧緻障害、足がつっぱったり、もつれるような歩行障害が出ます。
原因
これまでの首の負担や年齢が原因で、頚椎の脊柱管（神経の通り道）が狭くなり（脊柱管狭窄）、脊髄が圧迫されて症状が出ます。
診断
神経学的に評価し、レントゲン、MRIで診断を行います。
治療
四肢麻痺が進行し、日常生活を送る上で支障が出てくれば、早期の手術が望ましい場合があり、近隣の連携病院/専門医に紹介します。
頸椎後縦靱帯骨化症
症状
この病気になると頸椎の可動域の制限が出てきて、首のこりや痛みを生じることがあります。
後縦靭帯骨化症で頚椎の脊髄が圧迫されると、手足のしびれ感が出現して、手指の細かい運動がぎこちなくなります（箸がうまく使えない、ボタン掛けがうまくできない、茶碗を落とす）。
その他、足がつっぱって歩きにくい歩行障害も出現してきます。
原因
後縦靱帯は椎体の後方、脊髄の前の方にあり、これが骨に変わり、脊髄を圧迫することにより、症状が出現する病気です。
診断
レントゲン、MRIで診断を行います。
治療
四肢麻痺がない頚部痛や肩こりに対しては内服およびリハビリテーションによる治療を行っていき、日常生活上は首を後ろに反らせすぎないこと、スポーツ、泥酔などにより転倒・転落しないように注意が必要です。
四肢麻痺が出現して、日常生活に支障が出てきた際には手術治療の検討が必要な場合があり、近隣の連携病院/専門医に紹介します。