胸椎後縦靱帯骨化症、黄色靱帯骨化症
疾患
後縦靱帯は脊髄の前の方にあり、黄色靱帯は脊髄の後方にあり、背骨に適度な動きと安定性をもたらす大切な働きがありますが、これが骨に変わり、脊髄を圧迫することにより、症状が出現する病気です。
症状
後縦靭帯骨化症、黄色靱帯骨化症で脊髄が圧迫されると、足がつっぱって歩きにくくなる歩行障害が出現してきます。
治療
下肢麻痺が出現して、日常生活に支障が出てきた際には手術治療の検討が必要な場合があり、近隣の連携病院/専門医に紹介します。
側弯症
正常の背骨は前後から見ると、ほぼまっすぐですが、側弯症は脊柱が横（側方） に曲がって、かつ背骨のねじれを伴います。
原因
日本での発生頻度は1～2%程度で、女子に多くみられます。
特発性側弯症（原因不明の側弯）が全側弯症の60～70%を占めます。
症状
特に自覚症状はありません。診断のポイントは お辞儀をした体勢を後ろから見て片側の肋骨が盛り上がっている、片側の肩、肩甲骨、ウエストラインの高位の左右差等です。
診断
脊柱全体のレントゲンで、側弯の程度を角度で測ります。
治療
側弯症は成長期には進行することが多く、成長期には注意深い観察が必要です。治療法は側弯の程度（コブ角）や年齢などによって決まります。側弯の程度が強い場合は大学病院に紹介します。
脊椎椎体骨折/圧迫骨折
原因
1.骨粗鬆症のある方が転倒したり、重たいものを持ったりして、負担がかかること、2.腫瘍などの転移性腫瘍がある（病的骨折）、3.強い外力（高所からの転落等）等が原因で胸椎、腰椎が骨折することがあります。
症状
腰背部痛が見られますが、圧潰が軽度の場合は疼痛が軽く、潰れが進むにつれて症状が増強してきて、多発性骨折があると、背中が丸くなります。骨折が治らない場合はその後下肢麻痺が出現してくる場合があります（遅発性麻痺）。
診断
椎体圧潰していれば、レントゲンで確認出来ますが、初期の段階では分からない場合があり、MRIにて確定診断を行います。
治療
コルセット装着を行い、疼痛管理しながら、積極的に離床を行います。
骨折が治らず疼痛が持続する場合（偽関節）、不安定性が見られる場合、下肢麻痺が出現する場合等は手術加療を要する場合がまれにあり、近隣の連携病院/専門医に紹介します。